呼吸器内科・アレルギー科
あべのハルカスメディカルプラザ22F
中島アレルギー・呼吸器内科クリニック

呼吸器専門医・アレルギー専門医

気管支喘息・呼吸器疾患

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院長 中島宏和

医学博士

・日本内科学会 認定医

・日本呼吸器学会呼吸器専門医

・日本アレルギー学会
 アレルギー専門医

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気管支喘息の基礎

 本稿では、気管支喘息(以下、喘息)について、喘息の研究の中心的学会である日本アレルギー学会からの報告を中心に自験例も含めて解説いたします(1)

喘息はなぜ生じるのか

 喘息は、繰り返し起こる咳、喘鳴、呼吸困難、可逆性の気道狭窄と気道道敏性の亢進が特徴的で気道が過敏なほど喘息症状が著しい傾向があります。また、好酸球、T細胞、マスト細胞という種々の細胞の浸潤と、気道上皮の剥離を伴う気道の「炎症」が特徴的です。私どもは以前、好酸球という細胞が種々のサイトカインという、微量でも種々の作用を発揮する物質を産生・分泌し(2)、喘息における複雑なサイトカインネットワーク形成に関与していることを証明しましたが、この好酸球はTリンパ球という免疫細胞の浸潤にも関係しています(3-5)
喘息の病像を形成する因子は多様です。長期罹患者では、気道上皮基底膜直下の線維化・平滑筋の肥厚・粘膜下腺の過形成などによる気道のリモデリング(再構築)が、非可逆的(正常化できないと言う意味)な気流制限と持続的な気道過敏性の亢進をもたらして難治化すると考えられています。簡単に言えば、火事になった建物を修復しようとしても、火の粉が残っていればまた何かの拍子に燃え出してしまうのと似ています。このリモデリングには好酸球から分泌されるTGF-βというサイトカインも関与していますが、我々の研究の結果ステロイド剤は好酸球からのTGF-β産生の抑制作用が乏しいことが分かり、このためステロイド剤を投与してもリモデリング改善効果が乏しいのではないかと考えられました(6)

喘息の疫学

1.現在の喘息有症率
 わが国の有症率は、小児11~14%、成人6~10%(15歳以上)程度です。

2.男女比
 国際的にも若年齢ほど男優位で、思春期以後は女優位となります。日本では発症時の男女比は乳児期例で1.4、幼児期例では1.0程度、18歳以上では0.8程度です。

3.発症年齢
 小児の喘息では乳児期に発症が多く、成人喘息では中高年発症が多いことが知られています。

成人喘息の長期管理における薬物療法

 抗喘息薬すなわち成人喘息の治療に必要な薬剤は長期管理薬(長期管理のために継続的に使用する薬剤)と発作治療薬(喘息発作治療のために短期的に使用する薬剤)の2種類に大別して使用すべきです。

 喘息治療薬の現在の治療の中心は吸入ステロイド薬であり、重症度に応じて増量または気管支拡張剤である徐放性(ゆっくり効く)β2刺激薬や他薬を追加処方します。2023年5月現在、吸入ステロイド薬と徐放性β2刺激薬の合剤が5種類発売されています。
さらに、吸入ステロイド薬+徐放性β2刺激薬+抗コリン薬の3種類の薬剤が配合されている吸入薬が2種類販売されています。

 

 今回は、喘息の現在の状況を、私どもの研究成果と日本アレルギー学会のガイドラインをもとにまとめてみました。

 

参考文献

(1) 日本アレルギー学会、アレルギー総合ガイドライン2013 In :西間三馨/秋山一男/大田健監修.東京、協和企画;2013
(2) Nakajima, H.,et al.: Constitutive production of IL-4 and IL-10 and stimulated production of IL-8 by normal peripheral blood eosinophils. J. Immunol. 156:4859-4866,1996.
(3) Fukuda, T., Nakajima, H.et al. Eosinophils and lymphocytes in allergic infiltration. J Kor Soc Allergology 11(2):140-145,1991.
(4) 中島宏和, 福田健, 他:気管支喘息患者における気管支粘膜内Tリンパ球浸潤の副腎皮質ステロイド剤による抑制.アレルギー42:505‐513,1993.
(5) Fukuda, T., Nakajima, H., et al. Role of interleukin-4 and vascular cell adhesion molecule-1in selective eosinophil migration into the airway in allergicasthma. asthma. Am J Respir Cell Mol Biol 14 (1): 84-94,1996.
(6) 福田健、相良博典、中島宏和: 喘息における気道のリモデリング. Pharma Medica 18(Supple):77-84,2000.

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