阿倍野区のアレルギー内科・呼吸器内科

あべのハルカスメディカルプラザ22F

中島アレルギー・呼吸器内科クリニック

呼吸器専門医・アレルギー専門医

アレルギー性咳嗽・アレルギー性肺疾患

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院長 中島宏和

医学博士

・日本内科学会 認定医

・日本呼吸器学会呼吸器専門医

・日本アレルギー学会
 アレルギー専門医

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アレルギー性咳嗽(がいそう)

過敏性肺炎1)2)

1.はじめに
アレルギー反応が原因で生じる肺炎の一つに「過敏性肺炎」があります。一般的な肺炎は細菌やウィルスなどの病原体が肺の奥にある小さな袋状の部分(肺胞、はいほう)に感染して引き起こされる炎症ですが、過敏性肺炎では、それ自体は本来病原性や毒性を持たないカビ(真菌)や動物性蛋白質などの有機物、あるいは化学物質などを繰り返し吸い込んでいるうちに肺が過剰反応を示すようになり(これを「感作」と呼びます)、その後に同じもの(抗原)を吸入すると肺胞にアレルギー性の炎症が生じます。アレルギー反応はI型からV型に分類されますが、気管支喘息やアレルギー性鼻炎などがI型(即時型;吸入アレルゲンが体内に侵入すると早くて10分くらいで症状が発症する)に分類されるのとは異なり、過敏性肺炎はIII型(3~8時間後くらいに発症)とIV型(24~48時間後くらいに発症)アレルギーに分類されます。
2.症状
抗原にさらされると強いアレルギー性炎症が生じ、発熱やせき、呼吸困難感、だるさなどの症状があらわれます。抗原の多くは患者さんの自宅や職場に潜んでいるため、その環境から離れると症状が軽快・消失し、再びその環境に戻ると悪化します。
3.検査
胸部エックス線検査や胸部CTでは肺全体にすりガラスのような陰影が広がっています。血液検査で特定の抗原に対する抗体の有無を調べます。入院していったんよくなったあとで、疑わしい環境(自宅や職場)に戻ってもらい同じような症状が再び出現するかどうか調べることもあります。
 一方、原因物質を同定するために、自宅に付着した部室を検査室で培養して、原因となりうるカビが認められるかどうか調べることもあります。
4.治療
治療の基本は原因となっている抗原を避けることであり、自宅の改築や転職を余儀なくされる場合もあります。まずは原因と考えられる場所から「避難」して、症状が改善するかどうか確かめてみましょう。例えば、職場にいると症状がなくなるのに、自宅へ帰ると咳や発熱が生じることを繰り返す場合は、この過敏性肺炎が疑わしくなります。症状が強い場合は入院してステロイド薬による治療をおこなうこともあります。
5.本邦でよく見られる過敏性肺炎
1)夏型過敏性肺炎
 高温多湿になる夏季に発症しやすく、冬季にはみられません。風通しや日当たりが悪く湿気の多い古い木造家屋を好むトリコスポロンというカビが抗原です(トリコスポロン・アサヒなど)。
秋田県や岩手県以北では稀です。国内では、血液検査でトリコスポロン・アサヒに対する抗体を測定することが可能で、診断に役立ちます。
 2)農夫肺
 北海道や岩手県などの酪農家にみられ、干し草のなかの好熱性放線菌というカビが抗原です。
 3)換気装置肺炎(空調肺、加湿器肺)
 清掃を怠ったエアコン(空調)や加湿器に生じたカビ類を吸い込むことによって発症します。
 4)鳥飼病
 鳩やインコなどの鳥類を飼育しているひと、あるいはその周囲で暮らしているひとに発症します。
抗原は鳥類の排泄物にふくまれる蛋白質といわれています。
 5)職業性の過敏性肺炎
 キノコ栽培業者がキノコの胞子を吸入して生じる過敏性肺炎やポリウレタンの原料であるイソシアネートを吸入して生じる過敏性肺炎などが知られています。
 

おわりに

 私も以前大学在任中に夏型過敏性肺炎と診断した80歳代半ばの患者さんを担当したことがありますが、自宅をカビキラーで消毒し自室を別に設けていただき、ステロイド薬内服にて治癒しました3)

老若男女を問わず発症する可能性があります。

過敏性肺炎の診断を行うためには、気管支鏡というファイバースコープ検査により肺を生理食塩水で洗浄したり肺の組織を採取する生検を行ったりすることが必要ですが、診断の入口として詳細な問診と胸部エックス線検査が重要です。

 

【参考文献】
1)日本呼吸器学会ホームページ. http://www.jrs.or.jp/

2)呼吸器専門医テキスト、p449-453、南江堂、2007.

3)山田一成、中島宏和、福島康次、他;高齢で発症した夏型過敏性肺臓炎の一例、呼吸器

画像フォーラム、1998.

 

 

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